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恋風

第17章 優しい嘘




「もうやめてくれ。マックス、俺が嫌だったんだ。……花織をこれ以上どっちつかずな状態で置いておくのは。俺は花織が好きだ、でも花織は俺だけを好いてくれるわけじゃなかった。俺はそれが堪らなく嫌だっただけだ」

自分の事情の一部だけを述べ、風丸が笑う。そういわれてしまうとマックスはもう何も言えなかった。その言葉だけは花織のための言葉ではなく、彼が自分を想っての言葉だったからだ。もしも風丸が本当にそう思うのならば、マックスがそれを強制するわけにはいかない。確かに花織は優柔不断で答えを決めかねていた。半田は怪訝そうな顔をしたまま、2人を見ている。

「本当にそう思うの?」
「ああ」
「このまま鬼道と花織が付き合っても、納得できるの」
「してみせるさ。花織が選んだなら」

ここまで来ても風丸は花織だけを見据えている。マックスは説得は無理だと大きくため息をついた。そしてごろんと、河川敷の芝の上に寝転がる。

「わかった、わかったよ。……風丸には欲がないんだね、僕だったら彼女を誰かに渡すために別れるなんて無理だけど」
「欲がないわけじゃないさ、でも俺は鬼道の代りだったから。ずっとこうなる覚悟はできてた。ずっと花織のこと見てたんだ……花織が本当に好きな奴のことくらいわかる」

悲しみも憤りも押さえて風丸は笑う。マックスはどうしようもないと目を瞑る。そんな二人を何も言わず、ただ腑に落ちない様子で半田は見ていた。

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