第3章 淡く、そして儚く
既に桜は散り、木々は青々と色付き始めた。花織も大分クラスにも慣れ、秋や風丸以外にも仲の良い友人ができていた。ことに秋は親友とも呼べるほど仲良くなり、クラスで一緒に過ごすことが多くなってきていた。
しかし新しい友人は女の子だけではない。男子との仲も広がり始めていた。最近行動をよく共にしているのは半田とマックスである。半田とは席が近いという理由で話しはじめた。そして他クラスのマックスとも半田を通して交流が始まったのである。
帝国にいたときはほとんど男子と話すことの無かった花織にとって、彼らと過ごす時間は新鮮でよく一緒に行動していた。すべてが順調に進んでいるはずだったが、内心複雑な人物も花織の周りにいた。何を隠そう風丸である。
苛立つ気持ちがふつふつと湧き出るようだ。風丸はため息をつきながら楽しそうに秋と話している花織を見つめる。最近気が付けば花織を目で追っていて、半田たちと花織が一緒にいるところを見ると胸の中がモヤモヤとして気持ちが悪い。
それだけならばまだしも、話しかけられたら話しかけられたで花織の前だと妙に緊張してうまく話せなくなる。
それによってさらに自分に対する苛立ちが増幅し、堪えられなくなる。息ができないほど苦しくなる胸を押さえようとシャツの胸部分をぎゅうと掴む。
(何なんだ……っ)
花織の微笑みが、仕草がすべて風丸の心を刺激する。