第15章 歪みきった関係
「花織はさ、素直になればいいんだよ。この際、風丸も鬼道も気にしなくて自分がどっちと一緒に居たいのか考えれば」
「それができないから、花織は悩んでるんだろ……マックス」
マックスよりかは幾分花織に同情的な半田は呆れ調子で花織を庇おうとする。だが当の花織はそのマックスの言葉をぼんやりとしながら聞いていた。選ばなければいけない、土門は時間をかけてもよいといったが時間をかけてしまうとどちらも傷つけることになってしまうのだと。
***
花織の、そして風丸の決心のつかないままに、とうとう全国大会開会式が始まった。選手たちは入場待機の為にフィールドへの入り口付近で待機していた。しかしマネージャーが皆下に降りても仕方がないので、選手たちは一番古参の秋に任せ、花織と春奈は観覧席に座って開会式の開幕を今か今かと待ち構えているところだ。
「花織せーんぱいっ」
上機嫌の春奈が隣に掛ける花織に笑い掛ける。地区予選決勝の時に春奈と花織は言い争ってしまったのだが、春奈が試合後に謝罪をして以来、春奈は以前よりまして花織に懐いたようだった。理由は、花織にはよくわからなかったのだが。
「いよいよ全国大会ですねーっ!私たちマネージャーも気合入れていきましょうねっ」
「うん、そうだね。一緒にがんばろ」
花織もニコニコと笑顔な春奈に微笑んでみせる。すると春奈は花織の顔をじいっと見つめてその後すぐに顔を赤らめた。
「?……どうしたの、春奈ちゃん?」
「い……、いえ、何でもないんです」
春奈が慌てたように顔の前でぶんぶんと手を振る。いったい彼女はどうしたのだろうか。花織は不思議そうに首を傾げる。いつもとは違う彼女の態度が気にかかって花織が声を掛けようとしたが、それより先に入場行進が始まってしまった。
威勢の良い入場曲と共に選手たちがフィールドに入場する。近畿ブロック代表、戦国伊賀島を筆頭に選手たちが入場し始める。そして待つことしばらく、ようやく彼女たちの所属する雷門中学の選手たちが入場してきた。