第15章 歪みきった関係
花織は少しためらう。だがこの友人たちは信用できると思い直して核心を口にした。
「鬼道さんに……俺との交際を考えてくれって、言われてるの」
「えっ…………!?」
半田が目を大きく見開いて花織を見る。マックスの方は半ば予想していた答えだったようで半田ほど驚きはしなかったものの、彼も少しだけ動揺したのが分かった。
「鬼道が、花織に……?」
「うん。地区予選の決勝戦前に……。鬼道さんは私がずっと鬼道さんを想ってたことを知ってるから、だからその……なんて言えばいいのか」
「何それ、振り方がわからないってこと?」
先ほどのにやにやした表情とは打って変わってマックスが少し怒ったような声で言う。いつものおちゃらけた感じではなく、彼は不機嫌そうに花織を見ていた。
「花織、そろそろはっきりしてあげなよ。風丸が可哀想だ」
「おいマックス……」
半田がマックスの肩を叩く。
「――――僕さ、これでも君らを……特に風丸のことは応援してるんだよね。鬼道の想いは僕らは良く知らないから。本当は偉そうなことを言える筋合いはないんだけど……」
花織はマックスのこの真剣な表情に驚いていた。彼はいつもいろいろなことに対して執着がない。サッカー部にこれだけ長く所属してくれている理由が分からないほど彼は飽きっぽく、いろいろなことに関心がない人間だ。そんな彼が花織のどっちつかずな気持ちに怒りを感じているのだ。
「でも、風丸がどれだけ花織のことを思ってるか、花織分かる?風丸ってさ、普段あんなに落ち着いてるくせに花織が絡むと本当に落ち着かないし、見境ないし……なんていうかさ、ダメなんだよね花織がいないと」
「まあ……マックスの言い分はめちゃくちゃだけど……。花織、俺も一応花織は風丸の傍にいてやってほしいと思ってる。風丸の想いは痛いほど知ってるから」
半田もマックスの言動に苦笑いしながら一応マックスに同調する。半田もマックスと同じ思いだった。彼は過去に花織を風丸に託した立場なのだ。もう彼女に関しては諦めると決めたが、風丸とは幸せになってほしかった。
「ごめん……、そうだよね。私、一郎太くんの彼女なんだもの。もっとはっきりしないとダメだよね」