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恋風

第15章 歪みきった関係




「いつ戻ってくるんですか、先輩?」
「えっ、いや、それは……」

宮坂と同学年の山椒が風丸に問いかける。すると風丸は困ったような笑みを浮かべた。花織はそんな風丸の表情を見てぴくりと眉を動かす。だが、先ほどその問いを掛けた宮坂が答えの出せなかった風丸を救った。

「はいはい、みんな落ち着いて。風丸さんは僕が連れてきたんだよ」
「何だよ宮坂、お前風丸のマネージャーか?」
「いやいや、風丸のマネージャーは月島だろ」

手で皆を制止ながら割り込んできた宮坂に呆れたふうに橘花が問えば宮坂はこぶしを握って言い返した。

「だってみんな会いたがってたじゃないですか!僕が仕切ってもいいでしょ」
「わかった分かった、好きにしろ」

開川が笑いながらいう。先輩方の了承を得たことに満足したのか、次に宮坂は花織と風丸に視線を向けて笑った。

「久しぶりだし、ちょっと走りませんか?もちろん月島さんも!」

***

久しぶりにこのトラックに立つことになった。

内心ドキドキしながら花織は息を吐いた。今日、春奈と同じハーフパンツスタイルのジャージを着用していてよかったと思う。軽い準備運動を済ませてから花織は自分の走るコースに入った。足元にあるスターディングブロックを見ながら花織は俯いた。

走れる……だろうか。

ここの所タイムは測っていない。単純に早さを求めて走った記憶がない。マネージャーになってからは運動する時間ががほぼ半分になっている。しかもそのほとんどはサッカーに費やすようになったから速く走るための練習をほとんどしてなかった。

しかし彼女の心に陰る不安はそれだけではない。ここの所感じる身体の違和感それがどうにも気にかかっていた。

「花織?」

隣のコースに立つ風丸が不安げな面持ちをしていたらしい花織を呼ぶ。花織はふっと笑みを浮かべて見せると静かに首を振った。

「大丈夫、ボーっとしてただけ。……ごめんね」

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