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恋風

第15章 歪みきった関係



「え、何のことだ?」
「ふふ、何でもない」

彼はさっきの言葉を全く意識していなかったのだろう。嬉しそうに言葉を紡ぐ花織に戸惑っている。花織はそんな彼をまた素敵だと思った。それはうわべだけでなく心からそう思ったからこその結果だろうからだ。花織が再び風丸に視線を向け微笑んだ時だった。

「あ、風丸さんに月島さん!」

久しい声が2人の名を呼んだ。2人はハッとして声の主を振り返る。そこには爽やかな笑みを浮かべた宮坂が、陸上部のランニングの列を抜けてこちらの方へと駆けてきた。風丸はそんな彼にふっと笑んで声を掛ける。

「宮坂、久しぶりだな。練習、がんばってるか?」
「はい!風丸さんも月島さんも今から練習ですか?」

快活な風丸の後輩は嬉しそうに笑顔を浮かべた。宮坂は後輩の中でも陸上部のエースである風丸に対して人一倍憧れを強く見せている人間だ。だから初めて陸上部に花織を連れてきたときにも一番に風丸にも報告したのだし、花織と風丸が競い合う中に彼の存在もあったのだ。

「ああ。今、理事長から激励の言葉を貰ってな。今からまた練習に戻るところだ。な、花織」
「うん。そういえばね宮坂くん、今一郎太くん、シュートの練習をしてるんだ。今までディフェンスの練習メインで一郎太くんはやってたんだけど、これで一郎太くん自身が得点を決めるチャンスが増えそうなんだ」

先日、響木監督の計らいで響木監督のチームメイトだった伝説のイナズマイレブンの面々と練習試合をしたのだ。その時に過去に監督たちが編み出した必殺技を伝授してもらったのだ。技名を"炎の風見鶏"といい、その技に必要なパワー面で豪炎寺が、スピード面で風丸が相応しいと抜擢されたのだった。

そのことを誇らしいと感じる花織は宮坂に自分のことでもないのに自慢げに話してしまう。宮坂は多少なりと感心したようだったが、あまり興味はないようだった。

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