第14章 真実と疑惑
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「おめでとう、一郎太くん」
十分に勝利を祝い、解散をした後ふたりは帰路に付いていた。花織が心配だからと風丸は疲れた体をおして彼女を自宅まで送ろうとしていた。いくら影山が逮捕されたとはいっても昨日の今日だ。心配にならないほうが可笑しい。
「おいおい、花織もチームの一員だろ。他人事じゃないんだぞ?」
「ふふ、そうだけどね」
嬉しそうに隣で笑い掛けてきた花織に対して風丸が呆れたように言葉を告げる。それにまた花織はくすくすと笑った。
「私、今日一郎太くんが疾風ダッシュを決めてくれて嬉しかったよ。すっごくかっこよかった」
「あ、ああ……。ありがとう、花織」
「ううん、こちらこそ。……ありがとう、一郎太くん」
風丸は花織とつないでいる手をきゅっと握る。こんなふうにいつも通りに微笑む二人だったが互いに心中は全く穏やかではなかった。手を握り合っているくせに、そわそわとどちらとも落ちつきがない。
「あ、あのさ。花織」
会話が途切れた一瞬をついて、風丸が花織を呼ぶ。花織は少しだけ首を傾げて風丸を見た。
「なあに?」
「今日、鬼道とずっと一緒にいただろ?」
そこまで言って風丸は言葉をやめてしまった。それを聞くのは野暮だと思ったのだ。しかし花織がそんな風丸の心境に気が付いたのか、彼が知りたいであろう今日のことを彼に話す。
「鬼道さんとは、ずっとスタジアムに仕掛けられた罠を探していたの。……ほら、鉄骨が落ちてきたでしょう?」
「ああ、それはそうなんだが」
もちろん円堂から鬼道のおかげで自分たちが助かったのだということは知らされている。だが重要なのは行動ではない。