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恋風

第14章 真実と疑惑




同情なんかじゃない……。

花織が唇を噛みしめると鬼道が言葉を選び損じたことに気が付いたようですぐさま訂正をする。

「すまない、風丸に対するお前の気持ちを侮辱するわけじゃない。だがお前はずっと俺を好きだと言ってくれているだろう。……だから俺に対するお前の想いが恋愛感情だとするなら、風丸への想いは何なんだ、と問いたかっただけだ」
「……」

花織は答えられなかった。彼の問いかけの自分の答えがわからないのだ。彼女はどちらも恋愛感情だと思っている。どちらも優劣がつけられないくらいに大切で、大好きなものだ。

「考えておいてくれ。また改めて気持ちを聞こう。……いい返事を期待しているぞ」

鬼道が時計をちらりと見てマントを翻した。もうすぐに試合が始まる。花織もすっと立ち上がった。今はまだ返事はいらないと彼は言ったのだから、気にしてはいけないと自分に言い聞かせた。まずは雷門を、自分の恋人である彼の応援を精一杯しなければ。

それに……、もう二人きりで会うこともないだろう。何故なら風丸と約束をしたからだ。今日だけは例外だったが"もう二人きりで会わない"、と。

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花織の気分の晴れないままに試合は始まった。実力は拮抗しているのか、互いにシュートを放つものの、得点には至らない。しかし円堂の調子がどうやらすぐれないようでボールの弾き損ね、またファンブルしてしまうことすらあった。いつも円堂のプレーではない。

「苦しいね……。帝国の源田くんはどんなに必殺技を使っても完全にセーブしてくるんだもの」
「攻めきれないのも辛いし、円堂くんのプレイにいつものキレがないからディフェンスラインが下がってるし……。あんまりいい流れじゃないよね」

秋の言葉に花織は頷く。花織の視線は見まいとしていても自然と鬼道へ向いていた。花織が見たことがないほど今の彼は生き生きしている。影山総帥の支配下から逃れたからだろうか。今の彼は普段よりも魅力的に見えてしまう。

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