第12章 瞳に映るのは
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雷々軒につくと俺がいては話しにくいこともあるだろう、と言い、響木は花織が落ち着くまでは席を外してくれることになった。花織は相変わらず落ち着かないのかいまだに涙を流している。よほど恐怖を感じ、ショックを受けたのだろう。しかしそれでも先ほどに比べてだいぶ落ち着いてきたようだ。
「月島、何があったんだ?」
風丸に背中を擦られている花織へ円堂が視線を合わせて問いかける。花織は何度か深呼吸を繰り返し、やっとのことで言葉を紡ぎだした。
「今日……マネージャーの、仕事が終わって……っ、1人で、家に帰ろうとしてたの。……そしたら、なんだか、見られてるような気がして……っ。怖くなって、商店街に来たら人がいるんじゃないかって、思って……」
3人が頷く。
「商店街に向かってたら、急に……っ。壁に、押し付けられて……。月島花織だなって、言われて……。一回は隙を見て逃げ出せたけど……」
そこまで話して花織はまた泣き出してしまった。先ほどの恐怖を思い出してしまったのだろう。風丸がそっと花織を抱き寄せると花織は風丸の肩口に顔を埋めて泣きじゃくっている。そんな中、険しい顔をして豪炎寺が口を開いた。
「どうやら、犯人は確実に月島を狙ってきているな」
「ああ……。でも何で花織が」
その時、風丸は再び先ほどと同じ感覚を覚え言葉を止める。どうやらしばしば感じる振動は花織のポケットに入った携帯らしい。誰かがしきりに電話でもかけてきているのだろうか。
「花織、携帯、見てもいいか?」
風丸が優しく問いかければ花織は微かに頷いた。風丸は花織のポケットから携帯を取り出す。風丸が手にした途端、それは切れてしまったが、風丸は携帯を開いて着信履歴を確認する。風丸の眉が微かに顰められた。それを見た豪炎寺の眉も微かに動く。着信履歴はすべて同一人物からの物だった。――――鬼道有人、着信7件。
「風丸?誰からなんだ?」
円堂が不思議そうな顔で問うた。風丸が花織の背中を叩けば、花織の髪が微かに揺れた。どうやら答えてもいいと言う事らしい。
「鬼道だ、帝国の」
「鬼道!?」