第12章 瞳に映るのは
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「あーっ、美味かったなあ」
雷々軒を後にした円堂、豪炎寺、風丸はそれぞれ帰路につこうとしていた。
「よぉーし!今から腹ごなしにサッカーやろうぜ!」
「おいおい、今から練習するのか?さすがに遅くなると思うぞ」
円堂がサッカーボールを片手にこぶしを突き上げれば、風丸が呆れたように言った。豪炎寺はそれをほほえましげに見つめている。
「いいじゃん、明日は決勝だろ?最後の最後まで気合い入れて特訓しとかないと」
「明日が決勝だから、監督は練習を早めに切り上げるように言ったんだがな」
苦笑しつつ、風丸も円堂と一緒に練習する方へ気持ちが傾いていた。どうせ円堂に意見しても聞きやしないのだし、明日の相手は帝国学園、疲労が残るかもしれないが少しでも長い間練習したいとも思う。
「……放して!」
その時微かに女の悲鳴が3人の耳に届いた。3人とも足を止める。
「ん?今何か聞こえたか?」
「花織……?」
円堂の言葉に続けて風丸が自分の恋人の名を呟いた。どうにも先ほどの女の声が彼女に似ているような気がしたのだ。豪炎寺が訝しげに風丸を見た。
「……いやっ放して!助けて……」
「……!!」
2度目の声は先ほどよりもはっきりと聞こえた。何かあったのか、円堂がそう呟く前に風丸は駆けだしていた。間違いない……!2度目の声で風丸は半ば確信を抱いた。あの声は――――。
「あ、おい!風丸!」
駆け出した風丸を追いかけて円堂、豪炎寺も走り出した。