第12章 瞳に映るのは
フッと不気味な笑みが影山の口元に広がる。鬼道はその言葉に動揺した。どういう意味だ、まさか花織に何か。
「なんだと……?花織に何をしたんです!?」
「フフ、私は部下に命令しただけだ。2度とお前とあの女が顔を会わせることの無いようにしろと。これで少しは身の慎み方もわかるだろう……、鬼道」
そう言って影山は鬼道の部屋を出て行った。残された鬼道は慌てて机の上に置いていた携帯を手に取る。総帥は冗談など言う人間ではない。冷酷で勝つために手段を択ばないあの総帥が花織に何かした可能性は高かった。
鬼道の不安は大きくなる。震える指で電話帳から花織の電話番号を探しだし、携帯を耳に当てた。
どうか、無事でいてくれ………………!!
だがしかし、返ってくるのはコール音ばかり。花織は全く電話に出ない。鬼道は1度電話を切り、再び花織へと掛け直す。
「花織……!」
虚しいコール音だけが彼の耳には届いていた。