第11章 ただひとつだけ
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「花織ってば、本当に大胆だよね。っていうか半田、ちょっと自分の事と重ねて見てたんじゃないの?」
「う……、うるさいな」
どこかに走り去ってしまった風丸と花織を見つめて面白そうにマックスが言う。半田の頬は未だ赤かった。
「ふふん、まあこれで風丸も報われるよね」
「え……?それってどういう意味?」
傍で2人の会話を聞いていた土門が思わず口を挟む。意味がわからない、あの2人は好きあって付き合い始めたのではないのだろうか。
「ああ、土門は知らないんだよね」
「転校生だからねー」
肩を竦めて土門が笑うと半田が続ける。
「あの2人は誰が見ても普通のバカップルだもんなあ」
「普通じゃないの?」
「まあね。でも人に言う話じゃないし、僕は何も言わないけど」
「おいおい……、ここまで話しといてお預けかよ」
お預け、とは言いつつも土門は何となく花織、風丸、そして鬼道の関係を悟りつつあった。きっと花織はここへ転校した時、鬼道に振られた直後ではあったがずっと想いは鬼道に寄せ続けていたのだろう。そしてそんな花織に恋心を抱いた風丸がどうにかして花織と関係を結んだのか。
当てはめてしまえば風丸が報われるというマックスの言葉も、先日の花織の鬼道を思うような口調にも説明がつく。しかし……。これが本当だとしたらなんて中学生であるにも関わらず複雑な恋愛事情を抱いているのだろうか。そして――。
「……鬼道さんはいったい」
「ん?何か言ったか?」
土門の漏らした声に半田が反応する。土門はいや、と手を振ると身体を秋葉校舎の方へ向け返事を返す。