第1章 prologue
明らかにアヤシイ!!!
そう思ったときには、もう遅かった。
急に目の前に影ができたかと思い見上げると、そこには先ほどの白髪の男が立っていた。
「逃げるつもりかぁ?諦めるんだなぁ」
ヘビににらまれるカエルのごとく、
足が動かない。
これは本当に、やばい。
そう思うのに、葵の足は一歩も動かなかった。
「テメェを連れてくるよう言われてんだぁ。
詳しいことはそいつに会ってから聞くんだなぁ」
じ・・・と男が葵を見る。
「当然ついてくるよな?」と言わんばかりの圧力に
葵はただ、うなずくしかできなかった。