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マフィアの国のアリス

第2章 start point




「すこし話が飛ぶが、葵くんは"世界は何で保たれているか"、考えたことがあるかね?」

「何で…保たれているか?」

唐突な質問にすこし驚きながら、葵は右に首を傾げた。

「今や、数十億人が暮らすこの世界が、この広い宇宙の中在り続けられるのは何故か。
その答えが、この写真に映された石版なんだよ。」

写真の向きを180度回転させ、右手で葵の前に差し出す。
21個の凹みのある石版が、一体なんだというのか?葵には理解ができなかった。
なにやらティモッテオは規模の大きい話をしている。
世界だの、そんなもの、あるものはあるんだから、それ以上でもそれ以下でもない。
私たちが生きていく上で、一番の謎で、一番解けない謎をティモッテオは話しているのだ。
それに、答えがあるというのか?

葵は、どういうことですか、と少し高揚気味に尋ねた。


「この石版、凹みがあるだろう?
とても変わった形の、何かがはめ込めるような凹みが。
数は21個。しかし形ごとに7個ずつ、3グループに分けられている。
ここで、これを見て欲しい。」

ティモッテオが次に出したのは、先ほどこの写真よりも前に持ってきていた宝石箱のようなものの一つだった。
それの鍵穴に鍵を差し込むと、カチリと音を立てて箱の蓋が開いた。



中に入っていたのは、14個の指輪と、7個のおしゃぶりだった。


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