第3章 少女の思考
サァァァァ…と水が出てきては体に当たり、まるで私の心まで洗われている様な感覚になってしまう。
勿論、そんなこと、ありえないし、私の手に今までついてきた血は、表面上は綺麗に落とせても、染み込んで、根をはり、私の心まで根をのばし、蝕んでいく。
そんなこと、現実にはあり得ないのかも知れないけど、こんなわかりにくい説明が今の私にはぴったりだ。
簡単に、自分の言葉で自分という人間が、説明つくわけがない。この心中も、何もかも、全て。
わかりにくい世界で生きるわかりにくい自分には、わかりにくい、人には理解しがたい、説明の仕様がない能力がまるで呪いの様に、この目に、強く、根付いていた。
この目をくりぬいてしまえば、全てがかわるのだろうか。
「出来ない事を考えるから、失望するんだよ、、、」
出来ない事だらけの自分につくづく嫌気がさす。
「ねぇ!ここのさぁ、洗面所の横の棚に着替え置いとくね!ごめんけど下着は、、、」
「うん、大丈夫ありがとう」
結構嫌だけれども、我慢するしかないのだ。だいたいあんな服を洗ってくれると言うのだから、服を貸してくれると言うのだから、何かしらの我慢は必須だろう。
そう、上手くは世界は廻ってくれないし。