第3章 少女の思考
目が覚めた。確かというか、確実に、私は路地裏で倒れたはずなのだが、、、
「……起きた?」
起きた?とか聞かずとも目を開けたのだから起きたんだろう、見てわかるじゃんか。
とか思いつつも私がここにいて、彼がここにいると言うことは、彼が私を保護…?してくれたのだろう。
流石に服は変わってなくて安心したけど、腕や足についた血が綺麗に拭き取られていた。
触られた事に若干嫌悪感を抱きつつも、礼を言わねばと思い、口を開けば、私が言葉を発する前に、目の前の男の子が、冷めた目で私を見下ろし、言葉を被せた
「あのさ、そのままでいられるの、困るんだよね。服は貸すからお風呂、入ってきて貰ってもいい?」
「……あ、ありがとう」
「えっと…ごめんね、名前教えて貰ってもいい?因みに僕はカノ!なんとでもよんでもらっていいよ!」
さっきの目からして、彼の豹変っぷりに驚いた。なんだこいつは、、、
不信感が芽生え始めるが研究所と繋がりのある人物ではないはずだ。リストには載っていなかったし、それに若い。多分だけど違うと思える。
「私は、、カノ、よくわからないけれど助かりました」
「ん、ちゃんね!宜しく!あはは、敬語じゃなくて大丈夫だから!んー、流石に僕は女の子の下着なんて持ってないからねぇ、、、とにもかくにも、まずは服!ええっと…」
ふと、タンスを探るカノの足元をみて疑問に思う。
室内でも靴…?アメリカか何処かかここは。それともアメリカに憧れを抱く少年なのだろうか、、、
というか、
「シークレットブーツ………?」
「なにか…いった…?」
くるりと此方に顔だけむいて、笑みをつくるカノ。
どうやら触れてはいけないらしかった。地雷だったか。なんでもないと言って、取り合えずカノを待つことにした。
「んー…あ、もう少し時間かかりそうだから先にお風呂入ってて!大丈夫!覗いたりしないからさ!」
「いや、うん、、それが普通なんだけども、、、それより、私お風呂が何処にあるか知らない…」
「あ」
忘れてたのか、阿呆め。