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【カゲプロ】夢見る乙女のカタストロフィー

第4章 少女の過去




「あはははっ!」

「きゃーっ!もー!!やったなぁ!えいっ!」

「ふぎゃっ!もー!怒ったからね!?」

「え!?何で!?」

屋内プールで水鉄砲ではしゃいでいれば、ガチャ、と扉が開く音がして振り返ってみれば、そこには私達の教育を担当している女の人がいて、眼鏡の奥から見える鋭い眼差しに、私達二人は、小さく悲鳴を上げて水鉄砲を後ろに隠すように立った

「はぁ……いつまで遊んでいるの!?貴女達に遊びなんてもの必要ないの!貴女達は実験体のくせしてはしゃぎまわって……

罰を受けるのは此方なのよ!?いくら貴女達が特別だからって……」

「ごっごめんなさい……」

「ごめんなさい………」

どうやら私達二人ははここの一番偉いマスターさんのお墨付きらしく、特別扱いで、足枷がついておらず、所定の場所以外に出れば電流が流れる分厚い何かを手につけさせられているだけで、

他の実験体の子とは違い夏は涼しい服、冬は暖かい服、ちゃんとした部屋、ベットを与えられていて、

そこそこ不自由はせずに生きていた。

「はやく着替えなさい!!びっしょびしょじゃない!精密機械が壊れたらどうするの!?

さっさと着替えていくわよ!」

「また………?」

「またもなにも貴女達はこの実験の為に生きているの、それ以外に存在価値なんてあるものですか」

ハッとはなでわらって私達のお世話係はプールから出ていった。

ぐっと悔しさに耐えて二人で脱衣所を目指す。

他の実験体は私達みたいにプールになんて入れないし、お菓子も貰えない…まずあの牢獄から出られない。

ご飯だってみすぼらしい物ばかりだった。

布切れ一枚で足枷と手錠、首輪、何もない鉄格子の冷たい部屋、ろくな食事もさせて貰えない。私達の倍の実験………

それと私達はほとんど間逆だった。

制限はあるけれど、歩き回れるし、ご飯だってホカホカしてるしお腹一杯食べられる、お水も飲めるし、まともな暖かい部屋も。

二人で使っても部屋は狭いと感じない広さ………。

「実験だけでも頑張ろうって、思うけど………」

「うん………」
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