第3章 少女の思考
「人の存在を………無かった事にできる」
「は………?」
カノは若干笑って首を捻る。
うん、一番わかりやすく、簡潔にのべたつもりだったのだけれど、、、やっぱり理解しがたいか。
「この世に産まれたこと……存在していたこと………その全てをこの世界から、消す事が出来る。
だから、私が殺した人間が生きていた事を私以外に誰一人と覚えている者はいないの。
でも、欠点が2つ程あるみたいでさ、一つ目は死んだ人間に限るみたい。」
「へぇ……」
カノは興味無さそうに、でも興味があるように、此方を黙ってジッとみていた。
キド黙って下を向いている。何を考えているのかはわからないけれど、私の存在が受け入れがたいのは彼女に限った事ではないし、まずカノの様な人が特殊なのだ…あ、でもカノもあまり……というかキドより歓迎してはないみたい。
笑顔の隙間から凄く…殺気が漏れてる。
あぁ、カノは能力をもった人が此処には沢山いる、、、と確か言ったはず……それが、カノも例外では無いとしたら……
カノの能力は、自分を変える事が出来るのか……
それじゃぁ、カノも私にカマをかけたんだ。私だって、一つぐらいかけたって、どうってことないだろう。
「あと、物も対象外。まぁ、物なんて壊れなくてもなんとも思っていないから、私は元々欠点として見てはいないんだけど……そうだね。人間から命が消えた時だから……うん。カノ、貴方とは相性が悪い意味でいいみたいだ」
「うーん…申し訳ないけど説明が非常にわかりにくいかな……」
「ごめんね、私、わかりにくいの大好きなの」
スッと私の目が燃え上がる様に熱くなる。
笑顔のカノと目をあわせれば、カノがジッと此方を睨み付けた。
いや、元々睨み付けていたんだろう。
「そんなに睨まないでよ。」
「は………?」