第3章 少女の思考
「んーと、昨日の夜君を見つけたとき、、、違和感があったんだ」
そういうと彼女は顔をしかめた。意味がわからないとでもいうような顔で、思わずとぼけるな、と能力の後ろで睨み付ける。わかってる。とぼけてるわけじゃなくて本気でわかってない事は。
睨もうが何しようが僕が欺く限り、彼女にも、キドにも、ばれることはない。決して、、、
「あの時、思ったんだ。君一人が暴力を受けたとしても、血痕の数が多すぎる。外壁についた血の量も、、、
それに、倒れている君には、まわりの状況からして、誰がどう見ても異様だった。」
「血………!?」
「………………………。」
キドは驚いた様で、目を見開き此方を信じられないという様な目で見てくる。
一方、目の前に座っている少女は黙って、半分睨み付ける様にして此方を見ていた。
それは、続きを急かしている様にもとれ僕はうっすらと笑みを浮かべて話を続ける。
「そ、血だよ。血が沢山まわりには飛んでいるのに、、、君には目立った外傷が全くといっていい程見当たらなかった。
勿論、多少はあった様だけど………どれも内出血止まり、、、それに、凶器であろう金属バットが君の近くに転がっていた。もしも、君が被害者であれば金属バットなんて証拠品、犯人様は持ち帰るはずだよ。
それで僕は君が人を、その手で、殺したんだと思ったんだ。」
「殺……!?カノ!!おっお前、、、何いって…」
「うん、そうだね、あってるよお見事………って言った方がいいのかな?別に隠す気は更々ないけれど…まぁ、ばれたら困るかもしれない…程度だったし、、、わかったんならそれでいいけどね、」
「な、、、、」
「でも、それは私が加害者だとわかった事を説明しているのであって、私が能力を持っている事を何故、知っているのか……という事を説明していないじゃない、貴方の説明は私の質問に、答えてないよ」
「まぁまぁ、そう焦らないでよ、、、所でさ、一つ、質問いいかな?」
「?何?」
「………君は、人を殺すことに、何も感じないの?」