第3章 少女の思考
キドと言う人物はゆっくり下をむき、わなわなと震え始めたかと思うと、地を這うような声でゆっくりと話始めた。
「カノ………お前、、、」
「え!?ちっ違う違う!!違うよ!?キドの思ってる様な事じゃ、、、」
「じゃあ、なんなんだ………?」
助け船を出した方がいいのか、、?答えは否。触れぬ神になんとやら、だ。
それが恩人にする態度か!と言われればそこまでだが、どうやら彼女の逆鱗に触れてしまったらしく、今私が話しかけて火に油を注ぐ形になってしまうと、カノに申し訳ないので、ここはカノに頑張って頂くことにしよう、という考えなのだ。
決して、あ、やばいなとか思ったからではないのだ。決して、、、
私が考え事をしている間にもカノは必死に言い訳…ではなく、事実を説明していた様で、何度目かの説明で、キドと言う人物は落ち着いた。
「…なんだ、、、それならそうとはやくいえ」
「僕ずっと言ってたよねぇ!?キド!?」
「すまなかったな、見苦しい所を見せて、、、何処か痛んだりはしないか?」
「え?あっ、と、大丈夫です」
「まぁ、そんなかたくなるな。立って話すのもなんだから、座ってくれ」
そう言われソファまで座りにいくと、ふっと微笑んでお茶をいれてくるから少し待っていろと言われた。
ふっと微笑んだ彼女は物凄く綺麗な顔立ちをしていて、見とれてしまいそうにもなるが、そんな阿呆みたいな顔を見せるほど、私は気を緩くしてはいなかった。
勿論、良くしてくれているから気分の悪いものではないが、今までの研究所の研究員にこういう気遣いをされた時、大体が茶に睡眠薬等を含ませて居たりとかでいい思い出は一つもなかった。
なんかそう考えるとだんだんとこの状況が居心地が悪い物に感じてきた、、、。勿論、研究所では無いから睡眠薬等盛る必要なんてないのだろうけれど。