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本当は…【黒子のバスケ】

第2章 入学式


白凪ユイの人生は中学生で早くも底辺だった。

「お前なんて大嫌いだ…っ」

大好きな幼馴染にそう言われたその日に両親に捨てられた。

「あの人を繋ぎ止められないモノなんて意味がないわ」

母親は父親を愛していた。
親友の彼氏だった夫を誘い、子供が出来たと別れさせ結婚した。

父親は昔の彼女を愛していた。
しかし、一晩の過ちで彼女の親友と結婚した。

そう知ったのは、両親に捨てられた日だった。

今日は入学式。
ユイは新しい制服に袖を通す。

「桐皇高校」ユイがこれから3年間通う高校だ。

「……」

ユイはただ淡々と学校へ行く準備を続ける。

高校生になって施設を出た。
奨学金制度が整っている高校を選んで「桐皇高校」に入学する事にした。

朝食を食べずに外に出ると、憎たらしい程の快晴で、ユイは眩しさに眉を寄せる。

「…嫌な天気…」

クラス表で自分のクラスを確認して教室に向かえば、クラスの中は希望に満ちている様でユイは逃げたくなった。

入学式は、粛々と進められ長い校長の話も終わりユイは疲れたと小さなため息を吐く。

今日は早めに寝よう…。

『あの事』があってから、ユイは希望、願望を持つことを放棄した。そして笑う事も…。
預けられた施設は虐待が当たり前にあったし当然だが助けなんてない。

「大嫌い…か」

今でも思い出す、その言葉はずっとユイを縛り付けている。
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