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本当は…【黒子のバスケ】

第1章 序章


なにも知らなかったのは彼の方だった。

「だ、大ちゃん!た、大変ユイちゃんがっ」
「あ?」

さつきが言うにはユイの両親が離婚したのだという。
そして、ユイは何処かの施設に行ってしまったのだと。

「な、んで…」

また明日、朝起きてユイとさつきが迎えに来て青峰が軽く謝ってユイが「しょうがないから許してあげる!」と可愛く笑う。
そんな日常だと思っていたのに。

青峰は駆け出す。さつきの呼び止める声は無視した。
向かうはユイの家、4軒先のユイの家には真っ暗だった、朝あったはずの家の門にある表札もない。

「ユイ…っ」

思い出す彼女の表情は可愛く笑う表情ではなくあの悲しそうな表情だった。
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