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本当は…【黒子のバスケ】

第4章 戸惑いと決意


施設に入ってから本を良く読む様になった。
一番の目的は現実逃避。
あとは、ただ単に本が好きになったから。


「ユイ!」

なんで…?

「おい、お前ユイだろう?白凪ユイ」

なんで…?
また、「なんで?」が溢れてくる。
なんで、彼は「大嫌い」な私に近寄ってくるのか?
また、言うつもりなのだろうか「大嫌い」と。

「ユイちゃん!」

可愛らしい声が聞こえる。
彼女は桃井さつき。大好きだった幼馴染兼親友。

あぁ、彼女とはまだ一緒にいるのか…。

「ユイ、ちゃん?」
「〜っ、おい!なんとか言えよ!」

ダンっと大きな音を立て、青峰が机を叩く。

もう、私に構わないで。

「…ユイ、お前…」

二人が息を飲むのが分かった。

「…見てわかりませんか?読書中なんですが…」
「は?」
「邪魔、しないでいただけますか?」

ここに、居たくない…。
早く一人になれる所に行きたいと、ユイは足早に教室を出ようとするが、青峰の手に邪魔される。

「ちょ、ちょっと待てよ!ユイ…だよな?」

もう、私に構わないで…

「…さぁ?」

力の抜けた青峰の腕を力一杯払って、ユイは教室を後にする。
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