第13章 課題
「は?」
「え?」
二人の間抜けな声が重なった。
「一ケタだとは聞いていたがそこまで悪いとは....。」
赤司くんが呆れ気味に言った。
「その点数でよく数学が苦手じゃないと言えたものだな。」
「.....。」
手を抜いた、なんて言えなくなっちゃったなぁ....。
「今から真太郎と二人で見てあげるからこの課題をやろうか。」
そこには笑顔の赤司くんが。
赤司くん、怖い....。
「仕方ないのだよ。あきらめろ。」
緑間くんからは哀れみの目が向けられる。
青峰くんと黄瀬くんじゃないんだからそんな馬鹿じゃない、と言いたかった。
けど、あきらめた。
しばらくの間・・・
課題終了。
「柏木。」
課題が終わり、ゆっくりしていたところに名前を呼ばれた。
「手を抜いたのか?」
「っ!」
「そ、それはどういうことなのだよ、赤司。」
「課題をやっている間柏木は俺と緑間の説明を聞き流しながら手を休めず動かし続けていただろう?」
「あ、あぁ...。」
「そんなことが青峰や黄瀬にできるか。できないんだよ。そんなことができるのは頭のいいやつだけだ。」
うまくやってたつもりなんだけど...ばれちゃった....。
赤司くん鋭いなぁ。
「それで、なぜ手を抜いたのか教えてくれないか?」