第27章 夏祭り
「僕は元々友達と来ていたのですがはぐれてしまって...。そうしたらそこで偶然会ったんです。」
「へぇー、そうなんだ。緑間くんはどうしてお祭りに?」
「ラッキーアイテムを手に入れるためだ。」
「ふーん、ラッキーアイテムねぇ。頑張ってー」
黒子くんが緑間くんと会った経緯を説明するしてくれた。
緑間くんはラッキーアイテムを手に入れるためにお祭りに来たと言っていたが、もしかして一人で来たのだろうか。
ぼっちでお祭りも楽しいと思うけど、勇気がいることだと私は思う。
だからそんな緑間くんをちょっと尊敬する。
ラッキーアイテムを手に入れるためというのはとても理解できないことだが、適当に手を振り、適当に応援しておいた。
「テ、テツくん、一緒に来た友達って、もしかして女の子?!」
「いえ、男ですけど。」
「そっ、かぁ~。良かった。」
さつきは黒子くんの友達について興味津々の様子。
友達が男か女かだけでさつきの中では変わってくるらしい。
友達が男だと告げられた時のさつきの表情は胸を撫で下ろした安堵の表情だ。
「桃井さん、柏木さんは二人で来たんですか?」
「ううん、青峰くんも一緒だったんだけど、休憩所で待つって言って動いてくれなくて置いてきたの。」
「『肉買ってこい、肉。』じゃあ、ないわよ全く。なんで私たちがアンタのために食料調達してこなきゃいけないのよ。」
「そうでしたか。なんだか青峰くんらしいですね。」
黒子くんに尋ねられ、休憩所で待つ青峰くんのことを伝える。
私は青峰くんの真似をしてセリフまで言ったのに誰もつっこんでくれなくて少し寂しい。
黒子くんはさつきの言葉に苦笑した。