第13章 課題
手が血まみれだ....。
まだ流れているがじきに止まるだろう。
顔より先に手を洗う。
次に顔についた血を洗う。
まだ流れている血もあるからポタポタ落ちてくる。
その落ちてくる血を見ていてちょっとだけ楽しくなっていたところに、さっき無視してしまった声が聞こえた。
「はい、タオル。」
赤司くんから渡されたタオルは真っ白で、汗の臭いすらしなくてまだ使われていない新品のタオルのようだった。
「まだそのタオルは使ってないから大丈夫だよ。」
なにが大丈夫なんでしょう....。
使ってないなら尚更使えないじゃない....。
「....使わなくても....平気。」
渡されたタオルを受け取らない。
「そんなわけにはいかないだろう?」
無理矢理タオルを顔に押し付けられて、水で洗ったところを拭かれる。
まだ完全に止まっていなかったからタオルに赤い血が少しついてしまった。
「...ごめんなさい....。」
「何が?」
「血....つけちゃった....から。」
「こんなものどうってことはないよ。気にするな。」
でも....。
申し訳なくて俯く。
地面を見るとポタッっと落ちてくる血が。
まだ....止まってなかったのか。