第13章 課題
「す、すみません!!俺がボールを取っていれば....」
ボールを私に当てたと思われる部員が頭を下げて謝っているようだ。
でもそんなことどうでもよかった。
ぼーっとしていてよけなかった私も悪いのだから。
謝られるのは慣れていないからどうすればいいのか分からない。
すると、手に生暖かい感触のものが垂れてきた。
鼻血が出てきたみたいだ。
顔全体を押さえていた手を鼻に当てて血が体育館に垂れないようにする。
謝っている人はつらつらと反省文のような言葉を私に言っているけど、正直聞いてなかった。
血が垂れないよう立ち上がって体育館の外にある水道に歩いて行く。
「柏木、どこへ行く。」
赤司くんだ....。
悪いけど振り向いてる時間があったら外に行きたい。
大好きだけど、早くしないと血が垂れるから....。
ごめんね....。
そう心の中で思いながら、赤司くんを無視して水道のところに歩いて行った。