第12章 ドリンク作りは難しい
「それはそうと虹村さん、ドリンクの味はいかがですか?」
若干忘れかけていたことを聞いた。
「んー?ちょっと薄いからもうちょい濃くしてほしいかな。」
虹村さんは濃い目が好きなのかな?
虹村さんの手にあるボトルをひったくって粉を1杯入れて渡す。
「はいどうぞ。どうですか?」
「お、いい感じじゃん。つかそれ、なに?」
計量スプーンを指さされた。
「....計量スプーン、ですけど?」
「いやそれは見ればわかる。なんであるんだよ。」
「家から持ってきたから?」
「なんで。」
「目分量でドリンク作るの無理なので持ってきました。」
「へー。」
適当に返事された。
あまり興味がないのだろうか。
「虹村さん、そろそろ休憩終わりません?」
「お、そうだな。じゃ、ま、頑張れ。」
頭を撫でられる。
私....こどもじゃ、ないんだけどなぁ....。
うん、でも、嬉しいからいいかな。
青峰くんは水300mLに対して粉4杯。
虹村さんは水300mLに対して粉5杯。
これをノートに付け加えた。
5月〇日
ドリンク作りはうまくいきそうだなぁって思ったよ。計量スプーンとカップがあればなんとか大丈夫!
ねぇ、今日ね、小テストの結果が帰ってきたの。中学校の数学で2点だなんてこのあとが絶望的だわ。先生に課題渡された。で、来週また同じ問題でテストやって、点とれたら合格だってさ。合格するまではテストが続くらしいからよろしくねー。