第10章 今日のラッキーアイテムは何?
はぁ、やっぱり私の話聞いてくれる人なんてそんないないか....。
「バカだなぁ....。」
誰もいない部室前に私の声だけが響いた。
うずくまって膝に顔を埋める。
なんで言えないんだろう。
「なにしてんの?」
えっと、この声は....虹村さん.....。
「おーい。」
私がなかなか顔を上げないからか、頭に手を置かれる。
「....自己嫌悪してる....です。」
「自己嫌悪?なんで。」
はっ...!
なにこの人に変なこと言ってんだろ。
「....なんて。....嘘!...です。」
目いっぱいの笑顔を作る。
「お、お前なぁ~....!」
か、顔が怖い....。
怒らせたかな。
叩かれる、そう思って目を閉じたが、ポンと軽く頭の上に手がのっただけだった。
「オメー笑えるんじゃねぇか。」
へ?
「いつもそんくらい笑っとけよ。」
「....嫌....です。」
「ま、いーや。早く帰れよ。」
手を振って部室に入っていった。
そういえば私なんでここに....。