第10章 今日のラッキーアイテムは何?
部活が終わった。
「柏木!」
あ。青峰くん。
「....なに?」
「さっきのドリンクだけどさ、粉っぽかったぜ。」
粉っぽかった?
ぱさぱさってことかな?
「....そっか。」
「ほかのやつらはさ、味薄いとか濃いとか色々言ってたぜ。」
どれも同じように作ったつもりなんだけどなぁ...。
「....ありがとう。」
「ん?ああ、さつきのドリンクよりは全然いいし気にすんなよ。」
意外と....優しい....。
そういえば昼休みもそうだった....。
じゃないけど、ちょっとだけ惚れそうになった。
体育館の片づけを終えて、部室の前でたたずむ。
やっぱり気になる....。
でもうまく言えなかったら緑間くんきっと怒るしここは手短に、と思っていたら突然ドアが開いた。
っ?!
驚きが声に出なかったが一瞬心臓が止まるかと思ったぐらい驚いた。
きっと誰が出てきても驚いていただろうが、心停止するかもしれないと思ったぐらい驚いたのは出てきたのが緑間くんだったから。
「....ここで何をしているのだよ。」
「....待って、いたのだよ。」
「誰を。」
「....緑間くんを。」
「なぜ?」
「....聞きたいことがあるから....。」
「聞きたいこと?それは何なのだよ。」
口を開いたが、声が出なかった。
まだ部活前のこと引きずってるのかな....。
「....えっと。」
「早く言え。」
急かされるともっと焦ってしまう。
「あ、の....きょ、今日の....」
なんとか今日の、まではいうことができた。
が、そのあとが続かない。
そうしていたら、緑間くんが私の横を通り過ぎて行ってしまった。
あれ....どこ、行くの....かな....。