第10章 今日のラッキーアイテムは何?
緑間side
部活に行こうとしたら廊下で柏木に呼び止められた。
何事かと思ったが、アイツは結局何も言わず俺の前から去っていった。
いや、正確に言えば、俺がアイツの前から去っていった。
途中アイツは俯きがちにこちらを見て、何かにおびえたような顔を見せた。
あれは一体何だったのだろうか。
あの顔が中々離れないまま、部室に直行した。
由良side
はぁ~、さっさと部活行こ。
こんなとこでため息ばっかりついてたって仕方ない。
そう自分に言って歩き出す。
部活が始まって、ノートを開く。
ドリンクとタオルの用意をするため外に出た。
ふと手元のドリンクを見て思った。
このドリンク、おいしいのかな?
粉入れて水入れてるだけだし。
こういうもんなのかな?
と。
私は今は味覚ないから味分かんないけど、これって水入れすぎても粉入れすぎてもだめだから加減が難しいのは分かる。
これを昨日さつきは手際よくやっていた、らしい。
ノートによると。
粉なんて計量スプーンないから適当にいれなきゃいけないし、水だって計量カップがほしいくらいだ。
これを目分量でやってるさつきはすごいと思う。
私も見習わなきゃなと思って、明日からは計量スプーンとカップを家から持ってくることに決めたのだった。