第9章 お昼のあとの授業は眠たい
うわぁ~
綺麗....!
大して高いわけでもないのにすごく高く感じる。
「どうだ?綺麗だろう?」
「....うん!」
見たことのない景色に思わず顔が綻びてしまう。
「やっと笑ったな....。」
え?
「お前、笑うの久しぶりだろう?」
そう....だったかな....?
真ちゃんの言葉で自分が最近笑っていなかったことに気づく。
「笑うといいことにたくさん出会えるからこれからもたくさん笑うのだよ。」
そう言って頭を撫でてくれた。
「....うん。
....真ちゃん、なんで猫耳生やしてるの?」
「は?なにを言っているのだよ。お前こそ生えているくせに。」
「....なにが生えてるの?」
「それはだな、.....」
....あれ?
いきなり目の前が白くなって真ちゃんの声が聞こえなくなり、段々と姿も見えなくなっていった。
「....い......おい....。」
誰?
「おい!柏木!」
名前を呼ばれて勢いよく目を開けて体も起こす。
「おっと。」
「赤司くん....?」
私の名前を呼んだのは赤司くんだった。
「もう授業は終わったよ。次は移動教室だから早く準備しろ。」
終わった....?
時計を見てみると、確かに今の授業は終わっていた。
と、いうことは、私はずっと寝ていたということだ。
チャイムにも気づかずに寝てたのか、私...。
「ほら、早く行くよ。」
私は赤司くんに急かされて、慌てて次の授業の準備するのだった。