第6章 マネージャーになりたい
「虹村さん、残念ながらその人は柏木です。」
「あっ、赤司っち!」
赤司っちの声が聞こえて後ろを向くと、本人がいた。
「赤司っちって...。え?いつからそんな仲良くなった?!」
「落ち着いてください、虹村さん。」
「いやいやいやいや、落ち着けってほうが無理じゃね?」
「もうどうしたんですかぁ?私柏木ですけどぉ....。」
話が分からなくて、首を傾げる。
「ほら、本人がそう言っているので落ち着きましょう。」
「お、おう。」
「そうですよ~。落ち着きましょ!」
虹村さんの肩をバシバシ叩く。
「いてぇよ。」
キーンコーンカーンコーン
「あ。」
これ、予鈴かな?
わぁ、懐かしい。
「やべ。早く教室戻れ、オメーら。」
虹村さんが走って行ってしまう。
ん?
「わかってます。柏木、行くよ。」
赤司くんも小走りになっている。
ん?
「なんで急いでんの?」
「今のは本鈴だ。教室に先生が来る前に行けば遅刻は免れる。」
「へぇ~。今のが本鈴なんだね~。」
「随分呑気だな。」
「だって懐かしいんだもーん。」
どうにか小走りで間に合った。
先生は私たちが教室に入る2分後ぐらいに来た。
はぁ....ちょっと小走りしたぐらいでもう息切れてやんの...。
私運動不足なのかぁ....。
見に覚えのない自分の息切れの早さに驚きながら窓の外を見ていた。