第26章 風邪っぴき
黄瀬side
リビングにいると、突然柏木っちの大声が聞こえて桃っちと慌てて柏木っちの部屋に行った。
「何事っスか!」
「どうしたの!」
俺と桃っちは勢いよくドアを開けた。
そこで俺たちが見たのは、言い合いをしながら赤司っちが暴れる柏木を抑え込んでいるところだった。
「い、や!」
「嫌じゃない。...黄瀬と桃井か。今から柏木を病院に連れて行くから悪いが緑間を連れてきてくれ。」
「う、うん、わかった!」
桃っちは戸惑いながらも赤司っちの言うことを聞いてリビングに戻っていった。
俺はとりあえず中に入ってみる。
「おに!」
「鬼でもいいから行くぞ。」
柏木っちに鬼って言われた瞬間赤司っちの眉間にしわが寄ったけど、それを言うと何か言われそうだったから何も言わずその場でじっと二人のやり取りを見ていた。
「...きもちわるい。」
「暴れすぎだ。大人しく寝てろ。」
その内桃っちが緑間っちと戻ってきた。
「お金無い。」
「俺が払う。」
「返せないからいらない。」
「返さなくていい。」
「いや!」
「嫌じゃない。ほら、行くぞ。」
柏木っちは暴れるのは止めたみたいだけど最後の足掻きに言い訳を言ってみたけど、赤司っちには効かず結局大人しく緑間っちの背中におぶられることとなった。
俺は緑間っちとおぶられている柏木っち、赤司っちが病院に行くのを見送るため玄関まで桃っちと一緒に行く。
「気をつけてね。」
「いってらっしゃいっス。」
柏木っちを見ると、最後まで嫌そうな顔をしていた。
黄瀬side終わり