第6章 マネージャーになりたい
あ、そういえば私って、帝光中までの道知らないじゃん。
どうすんのさ。
蓮花が書いた日記には確か赤司くんと一緒に行く約束を、とかどうたらこうたら書いてた気がするけどそこのところどうなんだろ....。
うーん、と悩んでいると、聞いたことのある声が聞こえた、ような気がした。
「柏木、おはよう。昨日は....」
ん?
「あ!」
赤司くんじゃないですか!
「か、カッコイイ....!」
声の方を向くと、そこには赤い髪の顔だちが綺麗な男の子、赤司征十郎くんが立っているではありませんか!
「ありがとう。それより今日はなんだか一段と雰囲気が....。」
赤司くんが戸惑ったような顔をしている。
てか、雰囲気?
なんか違うかなぁ?
「えー、可愛くない?」
不満げに言ってみる。
「いや、その....。あ....そろそろ学校行こうか。遅れるといけない。」
はぐらかされた?
どうしたんだろう、赤司くん。
原因が分からず首を傾げて歩き出した。
「ねえ、赤司くん。」
「なんだい?」
「赤司っちって呼んでいい?」
「い、いきなりどうしたんだ?」
「だってそっちのほうが絶対可愛いと思うし!」
「可愛いと言われても嬉しくないんだが...。」
「そう?でもさ、仲良くなりたいから呼ばせて?ダメ?」
潤んだ眼と上目遣いで赤司くんをじっと見つめる。
「はぁ...別に構わないよ。」
「やった!赤司っち、よろしくね!」
今度は元気よく笑顔で言った。