第26章 風邪っぴき
どこから鳴っているのかぼーっとした頭では分からず、とりあえずゆっくり体を起こしてみたもののその間に電話の音が鳴りやんでしまった。
でも数分もしない内、再び鳴る電話の音。
ソファーの近くに落ちていたカバンの中を漁ってみた。
すると、携帯が振動しているのが分かってそれを取り出す。
通話ボタンを押すと、すぐに声が聞こえてきた。
「もしもし。」
「コホッ...赤司くん、どうしたの?」
「...風邪か?」
「そうみたい。」
「そうか...。今日は休め。コーチには俺から言っておく。」
「うん。ありがとう。」
「お大事にな。」
電話が切れる。
そっか、部活あったね。
すっかり忘れてた。
薬もないし、大して食欲があるわけでもないし、寝るか。
でもさすがにソファーは布団もないし、固いしで自分の部屋のベッドに移動して布団の中に入った。
うぅ...なんだか寒気がするし、節々は痛いし、もう!
はぁ...。
ため息をついて、目を瞑る。
なんだか眠いなぁ。
あくびをして数分後、私はそのまま眠ってしまった。
次に目を開けた時には部屋に人がいてびっくりして思わず変な声を上げてしまった。