第25章 rainy day
「にじむらしゅうやです!」
「にじむらはなです!」
「...柏木由良です。」
虹村さんの弟妹はどことなく虹村さんに似ている。
自分には兄弟がいないからなんだか不思議な気分だ。
この前来た時は、幼稚園のお泊り会で丁度いなかったらしい。
「お姉ちゃんは兄ちゃんのことすきですか?」
「...ふつう。」
修也くんにそう聞かれて、虹村さんの方をちらりと見てから少し首を傾げ考えた結論がこれだった。
「普通ってなんだよおい。」
「...嫌いじゃないけど好きでもないから。」
「おいおい、はっきり言うじゃねぇか。」
虹村さんがこっちを睨んでくる。
後ろから楽しそうな笑い声が聞こえた。
振り向くと、虹村さんのお母さんが笑っている。
「楽しそうね。由良ちゃん、片づけ終わったからこっちいらっしゃい。」
行ったら何があるのか知らないが、言うとおりに台所の方に歩いていく。
行ってみるとそこには、何の変哲もないウインナーと包丁、まな板があって、最初は何をするのかピンとこなかったけど少し考えて分かって虹村さんのお母さんの方を向いた。
「たこさん、ウインナー...?」
「ええ。こんな機会もなかなかないし、ぜひやりましょう。由良ちゃんに教えるの、楽しみにしていたのよ。」
手を洗って早速教えてもらう。