第25章 rainy day
私と監督の間には長い間沈黙が流れていたけど、ふと、監督が口を開いた。
「君の話を聞かせてもらったよ。」
「...話?誰から?」
「...誰から、という質問には答えられないが、話というのはね...」
監督の言葉に思わず目を見開いた。
「後悔しているか?」
「...間違ったことをしたとは思ってる。でも、後悔はしてないよ。」
「...そうか。」
再び沈黙が訪れる。
私は視線を監督から天井に移した。
真っ白な天井に浮かび上がる赤、オレンジ、黄色。
手を伸ばすと熱を感じるような感覚に陥る。
ガララ
ドアが開いた音がした。
体をゆっくり起こして、中に入ってきた人物を見る。
カーテンで仕切られていたところに入ってきたのは虹村さんだった。
「休憩時間になったんで様子見に来ました。調子はどうだ?」
「...もうちょっとここで寝てたい。」
「おい。体調いいなら体育館戻れよ。」
「....。はーい。」
本当は戻りたくなかったけど監督と虹村さんがこれから大事な話を保健室でするそうで仕方なく戻る。
体育館に戻ると、戻って早々さつきに抱き着かれた。
大丈夫かと聞かれて何が大丈夫なのか知らないけど聞くのも面倒でとりあえず頷いておく。
黄瀬くんが寄ってきて、緑間くんと紫原くんまでもが寄ってきて囲まれた。
みんな心配してきてくれたようだったけど、私はどうして保健室に連れて来られたのかがよく分かっていないから内心首を傾げていたが、やはり面倒で適当に話を合わせていた。
その内休憩時間も終わり、保健室に行っていた虹村さん、監督も戻ってきた。