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トリップしちゃいました

第5章 夜は嫌い



「も、平気....。」


「ん?ほんとか?」


虹村さんが離れる。


「一体どうしたんだい?」


「大丈夫....なんでもない....。」


「なんでもないじゃねぇだろ。」


「....夜のせい....。夜だから....。」


「それじゃあ、分からねーよ。」


「....明日....話す....。」


疲れた....。


もう話したくない...。



「今日はもう帰りましょう、虹村さん。」


「あ?でもよ...。」


「....私は大丈夫。」


「そうか?またなんかあったらすぐ言えよ。」


「....うん。」


虹村さんがまた優しい。


頭も撫でてくれた。



「....赤司くんもありがとう。」


「俺はなにもしてないよ。
それと、家の鍵はきちんと閉めるべきだよ。」


「そうだ、それ。なんで開いてんだよ、鍵。」


「....なんで....?閉めてないから....。」


「いや、閉めろよ。」


「....家には金目のものなんてなにもないから大丈夫。」


「そういう問題じゃないから。」


「君は女性なんだからもう少し危機感を持ったほうがいいよ。鍵はちゃんと閉めろ。」


「....うん、わかった。」


二人から注意されてしぶしぶ頷く。



「じゃあな、鍵ちゃんと閉めろよ。」


「また明日。」


玄関で見送りして、ドアが閉まるとソファーに座った。





部屋から出た虹村、赤司が鍵を閉める音がするまで部屋の前にいたことはここだけの話。
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