第5章 夜は嫌い
エレベーターで部屋がある階まで行く。
私の部屋は5階にある。
チーン
エレベーターが5階に到着したようで自動扉が開く。
「うっひょー。すっげー、高いなぁ。」
エレベーターから降りると、虹村さんがうるさくなった。
「落ちたら痛そー。」
虹村さんが下を見て、なにげなく言ったその言葉が頭に焼き付いて離れなくなって、突然息が苦しくなった。
立っているのがつらくなり、地面に膝をつく。
「....柏木?」
「おい、大丈夫か?」
二人が心配してくれている。
立たなきゃ.....。
立って大丈夫って言わなきゃ....。
焦れば焦るほど息が苦しくなっていく。
「柏木、部屋どこだ?」
「エレベ....タか....ら4つ...め。」
虹村さんが私を抱いて部屋の前まで行く。
「鍵は?」
「....あ、開いて....る。」
赤司くんがドアノブを回して中に入る。
電気を付けて虹村さんが私をソファーに寝かせてくれた。
息は荒く、体の震えが止まらない。
その間ずっと虹村さんが抱きしめてくれていた。
赤司くんは背中をさすってくれた。