第25章 rainy day
今日は雨。
結構降っていて、おまけに湿気もすごいから髪が広がる。
朝家を出る時に自分なりにまとめてみたけどうまく出来なくてみさきなでしこが代わりにやってくれたおかげで私の髪は今編み込まれている。
慣れない髪型に少しだけ恥ずかしさを覚えながら学校に来た。
私が体育館に来た頃には結構な数の部員がそこにいて、部活が始まる前から練習を始めていた。
みんな練習熱心だなぁと思って端っこの方で見ていたら頭に手が乗った。
「おはよ。部活の前にちょっと話があるんだけど。」
虹村さんの顔を見ると、少し怖い顔をしていて私を睨みつけている。
この様子からして話というのは昨日のことだろうと察した。
嫌だな...。虹村さんと話すことなんて何もないのに...。
「...嫌、だ。です。」
変な言葉が出てきてしまった。
「嫌?オメーは人のプライベートなことに首突っ込んでんだよ。そこんとこ分かってんの?」
プライベートなことに首突っ込んでる...。
そんなの虹村さんだって同じなのにね。
そんなことを言うと虹村さんの顔が今よりもっと怖くなるのを知っているから何も言わず俯いている。
「あのさ、こんなこと言いたくねぇけどよ。...オメー親から何教わってんの?人のプライべートなことに首突っ込むなって教わんなかった?オメーのやってることはな、非常識なんだよ。もうこれ以上は何も余計なことするな。いいな?」
虹村さんは言いたいことを言い終えたようで私の隣から去っていこうとする。
でも私が虹村さんの手を掴んでそれをさせなかった。
虹村さんの話を聞いている内に頭の中に色んな感情がぐちゃぐちゃに混じりあってなんだか気分が悪い。
でも私の記憶はそこから先は曖昧で、何かを叫んだような気がしたけど何を言ったかは自分でも覚えていない。