第24章 休日
待ち合わせ場所に行くと、もうすでにさつきは来ていたから声を掛けた。
「お待たせ。」
「あ、由良ちゃん!急にごめんね!」
「...暇だったからいいよ。」
「じゃ、早速行こ!」
さつきに手を引かれて店に入っていく。
入ったのは水着がいっぱいの店。
水着買うのかな...?
「やっぱり夏と言えば海でしょ?そりゃあ毎日部活だけど、海とかお祭りとかみんなで行きたいし、そのために水着買っとこうかなぁって。」
私の疑問に答えるようにさつきが私の方を向いて言ってくれた。
「あ、由良ちゃんも選ぶんだからね!」
え。
聞いてない。
とういうか水着なんてスクール水着でいいじゃん。
『スク水?!ダメよダメ!男の前ではちゃんとした可愛い水着着なきゃダメよ!』
頭の中に声が響く。
「由良ちゃん、今面倒だなぁって思ったでしょ?例えば、海に行くとするでしょ?赤司くんの前でダサい水着なんて見せられる?」
そう、言われると...ちょっと。
さつきの言ったことを想像してみてさつきから目を逸らし俯く。
「だからそのために今日は可愛い水着をゲットしよう!」
私の手を両手で握り熱弁するさつきを見てため息をつくが、結局は買うことになるのだった。
私が買ったのは温かみのある黄色で小花柄のビキニ、さつきは水色のビキニ。
「由良ちゃん、いい買い物が出来たね。」
二人で並んで歩く。
「そうだね。」
「水着は買ったしあとはみんなを誘うだけね!」
隣でさつきがメラメラと燃えている。ように見えた。
「あ、ここでお茶してかない?」
さつきが急に立ち止まってカフェを指差す。
別に良かったから頷いてそのカフェに入る。
中は割と空いていて静か。
私たちは窓側の席に荷物を置いて、私は席にそのまま座り、さつきは私の分の飲み物を注文しに行った。