第24章 休日
由良side
合宿が終わったよ。長かったような短かったような。私が出たのはちょっとの間だったけどご飯美味しかったぁ。あ、明日は休みだって。
みさきなでしこ
今日、休みなんだ。
合宿が無事終わってバスで帰ってきて虹村さんにおぶってもらって保健室に行く途中に気を失ったことは覚えてる。
虹村さんにお礼言わなきゃ...。
虹村さんは優しい人だと思うけど、でもあまり関わりたくない。
携帯の通知音が鳴った。
何だろうと思いながら携帯を開くと、メールが一件来ていてそれを開く。
さつきからだ。
『せっかくのオフだから遊びに行かない?』
遊びに...。
いいよ、と返信するとすぐに返事が来た。
『じゃあ1時に○○モールに集合ね!楽しみに待ってる!』
1時だって。それまで何してよう。
とりあえず洗濯と洗い物してそれから考えよ。
ふぅ。終わった。
やることを終わらせてとうとう暇になった。
さつきとの待ち合わせまではまだ大分時間がある。
家でごろごろするのは好きじゃないから外用の服に着替えて外へ行くことにした。
家の中もそれなりに暑かったけど、外はもっと暑くて参る。
日差しにあんまり当たりたくなくてなるべく日陰を選んで進むが暑さは変わらない。
暑さにうんざりしながらたどり着いた場所は花屋さん。
ここでカラフルな花を適当に選んで花束にしてもらう。
花屋を出てまた歩く。
歩いて着いたのは病院。ここには前も来たことがある。
目的の病室の前に立って、一呼吸置いてからドアに手を掛け開くと、そこには窓際のベッドで上半身を起こして窓の方を見ている少し痩せた感じの男がいた。
「君は誰だね?」
男は入ってくる私に気が付いたようで声を掛けてきた。
私はベッドのそばまで行ってから自分の名前を言った。
「柏木由良。...虹村修造、さんの部活の後輩、です。」
「修造の...。私のことは修造から聞いたのか?」
「...はい。」
「そうか...。何もありませんがとりあえず座って下さい。」
突然来た私に対して多少は驚いただろうが、丁寧に対応してくれた。