第23章 合宿
「...何ですか?」
「ペナルティのことだが、学校に着いたら外周してもらう。」
外周やだな。
「...何週ですか?」
「二週だ。」
二週か...。走るの苦手なんだけどな。
「...そうですか。分かりました。」
「話はそれだけだ。行っていいぞ。」
「...はい。」
コーチから離れて壁に寄りかかる。
『外周するの?』
『...しなくてもいいんじゃない?ばれなきゃいいんだし。』
『ばれなきゃ、ね。』
『何か言いたそうだね。』
『由良はさ、何がしたいのかなって思って。頑張らなくてもいいけどやるべきことはちゃんとやってほしいなって。』
やるべきこと...ってなに?
意味わかんない。
何がしたいか、なんて私が分かるわけないの知ってるはずなのになんであんなこと言われなきゃいけないの?
ほんとに意味わかんない。
コーチから集合の合図がかかり、部員たちが集まる。
私はさつきと一緒に後ろにいる。
前の様子はよく分からないけど佐藤さんの声がする。
佐藤さんの話が終わると、赤司くんがお礼の言葉を佐藤さんに述べ、監督とコーチの講評。
そしてみんなで佐藤さんにお礼を言い、終わった。
それぞれ荷物を持ち、バスのところまで行く。
バスの席順は行きと同じだから後ろの席の人からバスに乗り込む。
だから私とさつきは最後の方に乗り込む。
私が廊下側でさつきが窓側。それは行きと変わらなかった。
バスが出発する。
佐藤さんが見送ってくれているのを窓から見て手を振った。