第23章 合宿
「由良ちゃんごめん、掃除一人でやらせて。」
「ううん。平気。」
「私も制服に着替えよっかな。」
さつきが私を見て呟く。
私は箒で畳をある程度掃き終わり、ちりとりでそれを集めて窓から外に捨てる。
これで部屋の掃除は終わったから箒とちりとりを用具入れに入れた。
さつきも制服に着替え終わったみたいで今度は荷物をバスのところまで運ばないといけないから二人で行く。
「そういえば由良ちゃん。その袋なに?」
「袋?...タッパー。」
「レモンのはちみつ漬けが入ってた?」
「うん。」
「あれって由良ちゃんが作ったの?」
「ううん。みさきなでしこが作ったみたい。」
「へぇ。すごいなぁ。今度私にも教えてって伝えてくれない?」
「いいよ。」
私がそう言うとさつきの顔がパッと明るくなった。
そういえばさつきは料理が苦手でレモンのはちみつ漬けも作れなかったような...。
誰か作りたい人でもいるのかな?
テツヤ、とか...?
そんなことを考えていると、バスが待つところに着いた。
そこには部員の荷物が大量に置いてあって全部乗せるのにはまだ時間がかかりそう。
バスの運転手に荷物をその辺に適当に置いておけと言われたから言う通りにして去る。
部屋に戻って水とかあと各自必要なものが入ったカバンを持って体育館に行く。
まだ全員はいないけど結構な数の人が体育館に集まっていた。
そんな中私はコーチに呼ばれてさつきと別れた。