第23章 合宿
目の前のご飯に大人しく手を付ける。
でも食べるペースはゆっくりでみんなより食べ始めるのが遅かったからみんなが食べ終わる頃にもまだ大量に残っていた。
「早く食わねぇと飯の時間終わるぞ。」
横から言ってくる虹村さんの言葉に、だったら手伝ってくれればいいのにと思った。
『...ご飯食べる?』
『食べる!』
意識の中にいるみさきなでしこに話しかけてご飯の時間だけ代わってもらう。
次に目を開けた時には目の前のお皿は空っぽだった。
「オメー便利な体してんなー。」
「便利...?」
「でもさ、他の奴らに頼ってばっかじゃなくて自分で出来ることはしねぇといざとなった時一人じゃ何もできなくなるぜ。」
「...だから、他の奴らがいるのに。」
虹村さんの言葉にそう呟いた。
きっと誰の耳にも届いていないだろう。
お皿を片づけ、食堂で皿を洗ったりテーブルを拭いたりして手伝いを終えた後一人で部屋に戻る。
さつきは部屋に戻る前に寄るところがあるとかでどこかへ行ってしまった。
部屋で荷物の整理をして制服に着替えて今すぐにでも帰れる準備は整った。
ふと隣に置いてあるさつきの荷物が目に入った。
朝は気づかなかったが整理されていてさつきもあとは制服に着替えれば今すぐにでも帰れる準備は出来ているらしい。
このあとは今まで使った部屋とか体育館の掃除をすることになっている。
部屋を掃除するため部屋に備え付けてある掃除用具入れの中にある箒を取り出し畳を掃く。
さつきはどこに行っちゃったんだろう。
そんなことを思っていたら扉が開いてさつきが入ってきた。