第23章 合宿
「どうぞ。」
「ありがとう。」
水道でハンカチを濡らしてテツヤが私に渡す。
それを私は額に当てるが、痛みは元々そんなになくてここに来るまでに痛みは消えていた。
でもそれをテツヤに言うのも面倒で黙っていたがきっとテツヤは観察眼があるから気づいているだろう。
それでもこうして優しくしてくれる。
さつきが惚れるのも納得できるなぁ。
テツヤは練習の準備があるからと部屋に戻ってしまった。
私もハンカチを手に持って部屋に戻ることにする。
今日でここでの合宿は終わり、なのか...。
眠れない日の方が多かったけど、でも、楽しかったなぁ。
部屋に戻るとさつきはもう準備を終えていて私がまだ着替えていない状態なのを見て驚いている。
「由良ちゃん、もうすぐ練習始まるよ!早く準備しなきゃ!」
「うん。」
「私先に行ってるね!」
私が返事をする間もなく行ってしまった。
さつき、いつになく落ち着きがないような気がする...。
どうでもいいけど。
早く準備しよう。
着替えながら荷物の整理をして髪を結んでポケットにテツヤのハンカチを入れて立ち上がる。
部屋の掛け時計を見るともう体育館に行かないといけない時間になってて急いで体育館に走って行った。