第23章 合宿
もうすぐ朝練習の時間だということで部屋に戻ることにした。
さっき口紅取りに行ったときは起きてなかったけど、今度は起きてるかなぁ。
呑気にそんなことを考えながら歩いていたら壁にぶつかった。
「いたい...。」
額を押さえてうずくまる。
「大丈夫ですか?」
「...うん、大丈夫。」
反射的に答える。
声の主を確認するため額を押さえながらも振り向く。
でもそこには誰もいない...。
「柏木さん、僕はこっちです。」
声の方を向く。
「...やっぱりテツヤだ。」
「はい、テツヤです。少し赤くなってますけど大丈夫そうですね。」
髪の毛を少しどけてテツヤが額を見る。
「...いたい...。」
「まだ痛いですか?」
「うん。」
「そうですか。...立てますか?とりあえず冷やしに行きましょう。」
テツヤが私に手を差し伸べて立たせてくれて、手を引かれてどこかへ連れて行かれる。
「どこ行くの?」
「僕たちの部屋です。」
男子部屋に連れて行かれ、廊下で待たされる。
テツヤを待っている間、大分明るくなった外を眺めていた。
「あれ?柏木?こんなところで何してんの?」
名前を呼ばれてそっちを向くと虹村さんが立っていた。
「テツヤを...待ってるの。」
丁度その時テツヤが部屋から出て来た。
「あ、虹村さん。おはようございます。」
「おはよう。黒子。」
「柏木さん、行きましょう。」
テツヤのあとに着いていってその場を後にする。