• テキストサイズ

トリップしちゃいました

第23章 合宿


「...お前たち、ここで何をしているのだよ。」


「おはよう、緑間。今日は早いね。」


「緑間くんおはよう。ここで赤司くんと話してただけ。」


「おはよう。...そうか。それと俺が早いのは、青峰の手が俺の睡眠を邪魔して早く起きてしまっただけなのだよ。」


「そうだったのか。」


「...青峰くんて寝相悪いの?」


「あぁ。」


「いいとは言い難いな。」


二人とも渋い顔で言っている。


何を思ってのその顔なのだろうか。


二人にそんな顔をさせる青峰くんを見てみたい。


そう言ったら赤司くんたちの部屋を見に行くことになった。



「わぁ...なんか、すごいとしか言いようがない。」


部屋には六人で寝ていて、女子の部屋とは違って広い部屋がせまく感じる。


布団が手前と奥とで三つずつ敷かれていて、青峰くんだけじゃなくて他の人も手やら足やらどこかしらが布団から出ていてすごい有様に見えた。


さらにみんな体が大きいせいで布団はぐちゃぐちゃで本当にすごい、としか言いようがなかった。


男子部屋を後にして再び自販機のところにあるベンチへ。


私を間に挟んで赤司くんと緑間くんが座る。


「そういえば緑間くん、今日はラッキーアイテム持ってないの?」


「今日のラッキーアイテムは口紅なのだよ。残念なことにラッキーアイテム候補の中に口紅がなくて探しているところだ。」


「...口紅」


「柏木、持ってなかったか?」


緑間くんのラッキーアイテムを聞いて呟いて目を空中で彷徨わせる。


赤司くんが私の方を向いて尋ねてきて、考える間もなく頷いた。


「うん、持ってる。」


「なに!本当か?!」


「...持ってくる。」


そう言い残して部屋に小走りで行く。



数分してから戻る。


「はい。」


緑間くんに持ってきた口紅を渡す。


「柏木、礼を言うのだよ。」


「それ、みさきなでしこが大事にしてるものだから大切に扱ってね。」


「あぁ。」


緑間くんは一瞬口の端を上げて微笑み、口紅を大事そうにポケットにしまった。
/ 432ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp