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トリップしちゃいました

第23章 合宿


「柏木?」


「...赤司くん。」


名前を呼ばれて振り向くとそこには赤司くんがいた。


「早いね。」


「早いね、じゃない。何勝手に外に出ているんだ。」


「赤司くんだって出てるじゃん。」


「ばれなければ大丈夫だろう。」


赤司くんも私と同じ考えをしていたことに驚いて思わず笑ってしまった。


「また眠れなかったのか?」


「うん。」


「...心当たりはないのか?」


「...後悔。」


「え?」


「私の眠れない原因は、後悔しているから。」


「何に?」


何に、と聞かれたがこの先を教えるつもりはない。


適当にごまかす。


「早く戻らないと見つかるから戻ろ。」


「あ、おい!」


赤司くんの腕を引っ張って中に戻る。



「柏木は普段は弱いが、ふとした時に力が強くなるな。」


「それは...褒めてるの?貶してるの?」


「どちらでもないかな。」


「...私の力が強くなるのは無意識の時が多いみたい。」


「そうなんだね。」


「赤司くんは力強そうだよね。」


そう言ってから赤司くんの手を握る。


骨ばっていて、だけど触り心地のいい手だなと思った。


「人並みだとは思うけど。...柏木、そろそろ手を離してくれないか?」


「うん。...そういえば手首治った?」


「おかげさまで。ありがとう。」


「どういたしまして。...あ、緑間くん。」


偶然緑色の頭を見つけてその名前を呼んだ。
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